「いらっしゃい…ここらへんの人じゃないね」
奥から出てきたのは、ゆっくりした足取りのおじいちゃん
「はい!ここは植物とかが有名だって聞いたんで!一度来てみたかったんですよー!」
「そうかい。…じゃが、今はこの通り廃れてしまったよ…」
遠い目を向けて過去を思い出す様なおじいちゃんの顔は寂しそうだった。
「ジル様の頃は、活気に溢れておった…」
ジル様…?
「何かあったんですか?」
「ここの今の領主は、悪質なやり方をしておるんじゃ。若い優秀な男たちを屋敷に監禁しておるみたいでの。ここらには女子供とわしみたいな老いた人間ばかりじゃ。」
レビィさんも初めて知った事実に言葉を失う。
確かに街に来た時、人気がないと感じたのはそのせいだ。
「お前さんたちもあまり長居せずにさっさと帰った方がいいぞ。何が起こるか分からんからのぅ。」
うきうきだった気分が一気になくなり、おじいちゃんに挨拶をして店を出る。
「なんか、ごめんね。エマ、植物とか好きって言ってたから連れて来たんだけど…」
「いえ!そのお気持ちだけでも嬉しいです!レビィさんありがとうございます!」
「もう!あんたって子は!可愛いんだから!!」
レビィさんに頭をぐりぐりされていると


