森の妖精と団長さん





「今日はどちらに行ってらしたんですか?」

「別にシエルに教える必要はないじゃない。」


報告義務なんてないしね。
それに、あの子に会ったなんて簡単に教えてやらない。
あの騎士団団長と副団長がお世話していたって噂のあの子



「貴方は今、コウ王子の花嫁候補なのですよ。皆さん花嫁になるべく日々過ごしていらっしゃいます。」


「私だって、候補者としてやるべきことはやってるわ。でも、10人もいるんだし、1人ぐらい自由にしてもいいでしょ?その方が王子だって選びやすいわよ。」


自分で言ってて少し悲しくなる。
でも、これが私の本心。王子の、コウの花嫁となる人は必然的に次の王妃となる。私には王妃になって国を守りたいと思うほどの気持ちはできていない。

コウのそばにいたい。

ただそれだけでコウの花嫁になってはいけないと思う。コウが誰を選んだって、コウが選んだ人なら大丈夫