「こうして街でパンを買ってるなんてコウや王様にバレたら候補から外されそうだけど、王宮にいても暇だし、エマに会えたからラッキーだわ。」
シスカさんの思いを聞き、なんとも言えない私
「さて、昔話は終わり!ひと息つきましょ。何にしようかしら。」
立ち上がってショーケースをメイドさんと眺めるシスカさんの後ろ姿を見て、なんだか寂しくなった。
「エマはどうして薬師になったの?」
パンを食べ終え、紅茶を入れてくれたレビィさんにまだ話してていいよと許可をもらい、再びシスカさんとお話する。
「私は、もともと森に住んでたんです。住んでた小屋の中に薬草の本や調合の仕方の本など、たくさんあって、それを読んでたら興味を持ったんです。そしたら、負傷したシエルさんたち数人が私の小屋を訪ねて、治療したんですが、完治するまで一緒に連れて行ってくださいと私がお願いしたんです。」
私の話を真剣に聞いてくれるシスカさん


