北居くんも理由は違うけれど、私と同じく相手を探していた。

――君と僕は手を組んだ方がいいと言うことだよ

お互いの目的と利害が一致したと言う理由で、私は北居くんと“形だけの”結婚を決意した。

しつこいようだけど、私たちは恋だとか愛だとかそんな理由で結婚した訳じゃない。

「さて、残りの荷物の整理をするか」

ヨイショと躰を起こすと、階段を下りた。

まだまだ時間はあるけれど、いろいろと先延ばしにするのはよくない。

段ボール箱に書いてある文字を確認しながら、私は荷解きをした。

「えーっと、これは冬服が入っている段ボールだからクローゼットに片づければいいな。

靴はシューズボックスの中に入れて…」

フンフンと鼻歌を歌いながら、私は荷解きをした。