「…本当に、ここでよかったの?」

そう言った私に、
「うん、久しぶりに食べたかったから」

北居くんは言い返した。

「北居くんの食べたいものでいいって言ったけど…まさか、マクドナルドを選ぶとは思ってもみなかったわ」

チーズバーカーの包み紙を開けながら、私は言った。

「たまにはこう言うジャンクなものが食べたくなるんだ。

つきあいで高級レストランや料亭に行ったり、シバさんが作ってくれた料理を食べることもあるけど、たまに食べたいって思うんだ」

「ふーん…」

私は北居くんの前に置かれているトレイに視線を向けた。

ハンバーガーが3個にフライドポテトとナゲット、アップルパイ、飲み物の中身はコーラである。

それにしても、よく食べるなあ…。