スマートフォンが震えている音に、私は目を開けた。

自分でも気がつかないうちに眠っていたみたいだ。

テーブルのうえのスマートフォンに手を伸ばして確認をすると、北居くんからメッセージがきていた。

指で画面をタップすると、メッセージの確認をした。

『もうすぐで月に1回の状況報告があるけど、今回は何が食べたい?

都合は大丈夫?』

早いな、もうその日がきたか。

同時に私たちが“形だけ”の夫婦になって、3ヶ月を迎えたと言うことだ。

今回は、北居くんが食べたいものにあわせることにしようかな。

そう思いながら、私は画面をタップした。

『いつも私にあわせてばかりだから、今回は北居くんが食べたいものでいいよ』

メッセージと一緒にスタンプを送った。