「神田川さんは、ひーくんの小学校時代の同級生なんでしょう?

その頃のひーくんを知ってる訳だから、ひーくんのいろいろなことが聞けたらいいなって」

柴崎さんはおちょこに口をつけた。

テーブルのうえには刺身の盛りあわせとだし巻き玉子があった。

「出席番号が近かったと言うだけで、仲良しだったって言う訳ではないんですけどね。

日直とか2人1組でやる授業の時は、よく彼と組んでましたけど」

私は箸でタイの刺身をつまむと、わさび醤油につけて口に入れた。

「北居くんとは小学校の高学年の時に同じクラスになったんです。

それまでは特にこれと言って彼に関わることはありませんでした」

「なるほどね」

柴崎さんはマグロの刺身を口に入れた。