今日は2回目の近状報告日…だけど、私が一緒にいる人は、
「ごめんね、今日はひーくんに急用が入っちゃったもんだから」

柴崎さんだった。

「昨日本人から連絡があったので大丈夫です」

私は答えると、とっくりを柴崎さんの前に差し出した。

柴崎さんがおちょこを手に取ったことを確認すると、そこに日本酒を注いだ。

「ああ、どうも」

今日はお刺身が美味しいと評判な鮮魚店である。

完全個室なので、ここにいるのは私と柴崎さんの2人だけだ。

「まあ、神田川さんと1度はじっくりと話をしたいと思ってたからね」

柴崎さんがお返しだと言うようにとっくりを私の前に差し出したので、
「えっ、私とですか?」

私はおちょこを手に持った。

私と話をして、柴崎さんに何のメリットがあると言うのだろうか?