「また日が近くなったらメッセージを送るから」

そう言った北居くんに、
「うん、わかった」

私は返事をした。

「お金の方は大丈夫?

余裕ない?」

続けて聞いてきた北居くんに、
「まだ大丈夫」

私は答えた。

そうしていたら、駅に到着した。

「じゃ、またね」

「バイバイ」

私たちは改札口の前で手を振ると、その場で別れたのだった。

我ながら淡白なものである。

世間一般で“新婚”と聞いたら、常にハートが飛び交っていてラブラブな感じを指差すのかも知れないけど…私たちは関係が関係だ。

「お互いがお互いに満足していれば、それでいいんだから」

そう呟くと、私はすでにきていた電車に乗った。