「なかなか賢そうな子だね。

まあ、計画に乗ってくれただけのことはあるんだけど」

柴崎さんはそう言うと、白ワインを口に含んだ。

「しかし、君も変わってるね。

これだけ女性の社会進出だ結婚してからも働き続けたいって騒がれてるのに、仕事を辞めたいから専業主婦になりたいから結婚したいだなんて」

「…ダメですか?」

「ダメとは言っていないさ、考え方は人それぞれだと思ってるからね。

そんな昔ながらの考え方は珍しいなと思っただけだよ」

柴崎さんはそう言うと、スティックの先にブロッコリーを差した。

「もちろん、いつまでも専業主婦でいようなんて思っていません。

少なくとも3年ぐらいはニートをやって、後は気が向いたら適当にバイトを探そうかなって言う感じです」

私はスティックの先にじゃがいもを差すと、グツグツとチーズが煮え立っている鍋の中に入れた。