「その辺に置いといて、後で片づけるから」

私がそう言ったら、
「あいよー」

北居くんは返事をすると、段ボールを置いた。

「段ボール全部置いたら、今日はもう帰っていいから」

「結構あるけど、大丈夫?

約束の時間までまだあるから、少しくらいつきあってもいいけど」

そう言った北居くんに私は首を横に振ると、
「いいよいいよ、どうせ時間はまだまだたくさんあるんだし」

ニヒヒと、アニメの悪ガキよろしく歯を見せて笑った。

「ああ、昨日からニートだもんな」

「正しくは“専業主婦”だけどね」

「もう少し正しく言うならば、神田川は“愛人”だな」

「何かいかがわしい…でも、事実と言えば事実だけど」

私たちはそう言いあった後で一緒に笑った。