今日も先輩を眺めていた。

廊下で男友達と楽しそうに話している姿は、
少し子供っぽく可愛らしい。

普段の先輩は、汗をかきながら
部活をしている姿が男らしくてカッコいい。

話かけて見ようかな?

こっち…見ないかな?

だけど、そんな勇気があったら
とっくにやっている。


壁に隠れているのが精一杯の毎日。


話かける勇気だけが起きない。


結局いつまでも渡せないまま
チャイムが鳴ってしまった。

今度こそ…。

そう思いながら
渡せなかった手紙と紙袋を握り締めていた。