「こっちに来ないで!」

 血の気の引いた顔のまま、大声を出され、そこで歩み寄るのをやめる。

「……いより」

「もう私に、関わらないで。……帰って」

「……そっか、うん、分かったよ」

 責められて当然の俺は、いよりの言葉に従う他なく、休憩室を後にする。

 幸いいよりの鋭い声を聞いている者はいなようだが、あのいよりの拒絶の仕方には俺も一瞬硬直した。

 恐ろしい物をでも見たかのようないよりの表情が、頭の中で再度思い出された。