姿形の変化は見られないいより。栗色に染めた髪の毛も、胸まで伸びた長さもも、変わっていない。

「ちゃんと元気でいるいよりを見て、安心したよ」

「……元気なんて、そんなこと簡単に言わないで」

「あの時はごめん。本当に反省してる」

「今更……謝らないで。もう過去のことは……思い出したくない」

 小声で呟くいよりの言葉をちゃんと聞き取りたくて、俺はいよりに近付いたのだが、そこでいよりが大きな声を出してしまった。