幸さんに辛い過去を作ってしまった、美野田さん。

 そんな彼にも、これからも彼の人生があり、時間は止まらない。

 幸さんと復縁をしてもらうのは困るが、なぜだか、心は温かいままで、俺は幸さんを信じることができたのだった。

 間もなく出発のした飛行機の中で、俺は前向きな気持ちで、徐々に遠ざかってゆくC街を眺めた。