一葉は自宅で絵画教室をしたり、個展を開いたりしている美術家で独特な個性を持っている。考え方も私とは違う。

 恐らく幼馴染じゃなかったら、仲良くなれるタイプではなかったであろう。

「で、花束誰からなの? もしかして彼氏できた?」

「彼氏なんていない」

「え、じゃあもしかして駿さんとか?」

「……」

「わ、そうなのか。駿さんやるねぇ」

 リビングを挟んだ奥のキッチンでは、両親がコーヒーを飲んでくつろいでいる。一葉はもう家族同然だ。