「幸さん、これから双川さんのフォローお願いしてもいい?」

「分かりました、頑張ります」

 店長に言われ双川さんの元に行くと、彼女はどうしていいか分からないように辺りを見渡していた。

「双川さん、今から掃除をしていくから、布巾で机を拭いてもらってもいいですか?」

「あっ、はい。分かりました」

 真っ黒の腰まで伸びた艶やかな黒髪は、後ろで一つに束ねられ、その端正な横顔は美しい。可愛い、とも、綺麗、とも言えるよう。