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「えっ? 匡がっ?」

匡の理解不能な行動に、小学校での面談後、帰宅した沙也加は、紘一に相談した…

ソファにもたれ掛かりながら…本を読んでいた紘一は、沙也加の方に視線を向ける…

「何か…、悩みでもあるのかしら?
やっぱり、お母さんの子どもじゃない…って、気にしているのかしら?」

「……っ」

と、匡の成績のことを気にしている沙也加…

無表情で、その様子を見つめていた紘一であったが…心の中は、静かな炎が立ち上っていた…

「深刻な悩みなら…、心療内科に行った方が…
紘一、どう思う?」

「…『心療内科』っ?」

その言葉に、紘一は、咄嗟に『まずい』と、思った…

心療内科にかかったら…、洗脳されてることがバレてしまう…

それだけは、防がなければ…

「大丈夫だょ、お母さん。
俺が、話してみる…」

その、紘一の言葉に…沙也加は、一瞬で笑顔になり…

「そぅ、良かった! 紘一、頼りになるから…」

と、すっかり上機嫌になった沙也加…

「お母さん、俺の面談はどうだったの?」

匡のことで、一喜一憂する沙也加に、紘一はイラつきが隠せなかった…

「紘一は、大丈夫ですって。クラス委員で、リーダーシップもあってって。中学受験も大丈夫でしょう…って」

「…そぅ…」

紘一は、再び…読んでいた本に視線を戻した…