私達は屋上のベンチにすわった。

「じゃあ言うね。」
やっぱり真剣な顔をしている。

『…うん』

「二宮さぁ。
車にぶつかったじゃん。
その時に頭打ったらしくて。」

『うん。』

「打ったところが
運悪かったらしくて」

私は怖くて声が出なかった。

「今までの記憶が、
少しずつ消えていくんだって。」

『え…』

「二宮さ。
瞳には、心配かけたくないって。」

私は首を振った。

『あいつホントは怖いよね』

「そりゃ。」