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亜里沙は、退院後自宅療養を経て、九月一日に、関越銀行本店営業部に配属となった。
さらに、十月中旬の日曜日に、菊池と亜里沙は高崎市の結婚式場にて結婚式を挙げた。
結構披露宴を行おうと菊池は主張したが、亜里沙が固辞した。
また、結婚した場合、関越銀行では一週間の特別休暇が与えられることになっていたが、これも亜里沙がこれまで散々休ませてもらったからと辞退した。
菊池は、今までのアパートを引き払い、バリアフリー化した住宅を建て、そこで二人の新婚生活が始まった。
亜里沙が、心から菊池に感謝の言葉を掛けた。
「けんちゃん、本当にありがとう。あの事故の後、わたし自殺しようと何度も思ったわ。でも、そのたびにけんちゃんのことを思い出して思いとどまったわ。今では結果的によかったと思っている」
菊池は、笑顔で言った。
「今だから言うけどな。亜里沙が車いす生活になることが分かった後、小林課長から縁談の話が持ち込まれたんだ。でも、どうしても俺はその話に乗る気が起きなかったんだ。そのたびに亜里沙の顔が浮かんでな。あれ、噂をすれば何とやらで、あれは小林課長だな」
「本当だわ」
そのとき、玄関のチャイムが鳴った。菊池は立ち上がり、玄関先まで行き鍵を開けた。まさしく小林課長だった。
「やあ、いい住まいだな」
小林は、菊池の新居を珍しそうに眺め回して言った。
菊池は、小林を招じ入れた。
亜里沙が車いすを自操し、玄関までやってきた。
「山岸君、じゃあなかった。もう菊池さんだよな。久しぶりだね。どうだい、体のほうは?」
亜里沙は微笑みながら言った。
「もう万全です。って、そうでもないか。車いすじゃあ」
小林も微笑していた。
小林は、上着のポケットから祝儀袋を取り出した。
「菊池。本来であればこれは結婚式に渡そうと思っていた物だ。少ないけど取っておいてくれ」
菊池は、頭を掻き恐縮した。
「では、お言葉に甘えて。ありがとうございます」
「それと、これは、俺の実家の山形県の地酒だ。今日は日曜日だし、これから一杯やろう。奥さんも飲めるよね」
三人はお互いを見つめ笑いあった。
亜里沙は、退院後自宅療養を経て、九月一日に、関越銀行本店営業部に配属となった。
さらに、十月中旬の日曜日に、菊池と亜里沙は高崎市の結婚式場にて結婚式を挙げた。
結構披露宴を行おうと菊池は主張したが、亜里沙が固辞した。
また、結婚した場合、関越銀行では一週間の特別休暇が与えられることになっていたが、これも亜里沙がこれまで散々休ませてもらったからと辞退した。
菊池は、今までのアパートを引き払い、バリアフリー化した住宅を建て、そこで二人の新婚生活が始まった。
亜里沙が、心から菊池に感謝の言葉を掛けた。
「けんちゃん、本当にありがとう。あの事故の後、わたし自殺しようと何度も思ったわ。でも、そのたびにけんちゃんのことを思い出して思いとどまったわ。今では結果的によかったと思っている」
菊池は、笑顔で言った。
「今だから言うけどな。亜里沙が車いす生活になることが分かった後、小林課長から縁談の話が持ち込まれたんだ。でも、どうしても俺はその話に乗る気が起きなかったんだ。そのたびに亜里沙の顔が浮かんでな。あれ、噂をすれば何とやらで、あれは小林課長だな」
「本当だわ」
そのとき、玄関のチャイムが鳴った。菊池は立ち上がり、玄関先まで行き鍵を開けた。まさしく小林課長だった。
「やあ、いい住まいだな」
小林は、菊池の新居を珍しそうに眺め回して言った。
菊池は、小林を招じ入れた。
亜里沙が車いすを自操し、玄関までやってきた。
「山岸君、じゃあなかった。もう菊池さんだよな。久しぶりだね。どうだい、体のほうは?」
亜里沙は微笑みながら言った。
「もう万全です。って、そうでもないか。車いすじゃあ」
小林も微笑していた。
小林は、上着のポケットから祝儀袋を取り出した。
「菊池。本来であればこれは結婚式に渡そうと思っていた物だ。少ないけど取っておいてくれ」
菊池は、頭を掻き恐縮した。
「では、お言葉に甘えて。ありがとうございます」
「それと、これは、俺の実家の山形県の地酒だ。今日は日曜日だし、これから一杯やろう。奥さんも飲めるよね」
三人はお互いを見つめ笑いあった。
