そもそも彼とは入学してすぐのレクリエーション合宿の係で知り合った。







私はその合宿の実行委員で(誰も立候補がいなかったから)

「うわ、あんの筋肉ハゲめ………」

つい2週間前に出会ったばかりの担任をディスりながら女子に運ばせるには重すぎる炊き出し用の炊飯器3台をほぼ引きずりながら歩いていた。





「っはは、たしかに宮田先生ちょっと髪の毛寂しいよな」


……え、誰?と不審がりながら声のした方へ体を向けようとすると
さっきまで手にあったはずの重みがフワッと消えたと同時に声の正体であろう男が左肩の方からひょこっと顔を出した。











「木野彩日さん?だよね、はじめまして」





神田衆太です、


そう爽やかに名乗ってきた彼こそが私の″元″好きな人だった。