秋人には何も言わずに引っ越した。

秋人…好きだったよ。
でもだからこそ秋人からはわたしは離れる。

「20点。」

無表情のまま桐谷社長に採点された。

「どうした?男か?プライベートと仕事を混同するなよ。」

涙なんてこの鬼社長に見られたくなかったらが、

汐里は、おお泣きした。

「泣くなよ。男に浮気されたぐらいで。今日のスケジュールは?」

汐里の頭の中はジェットコースターみたいになっている。


「おい!聞いてるのか?」

今日は、散々だった。

工藤明美と居酒屋で飲んだ。

「ピンチはチャンスだよ。桐谷社長に乗り換えちゃいなよ。」

「そういう関係じゃないし。犬か猫としかわたしを見てないよ。あの鬼社長はさ。」

「そんな事ないよ。別荘まで連れてってもらったんでしょう。スゴいよ。」

桐谷社長か…。

確かにあの夜はお互いの悪口を言ってしらないうちにキスしたけど桐谷社長は覚えていなかった。

わたしの心の穴を桐谷社長は埋めてくれたのだ。

心底愛せるかな?

「今日は、70点。」

桐谷社長は、そう言うとじっと汐里を見つめた。

やっぱり、エステ行った効果が出てる。

少し、汐里嬉しい自分がいる。

今日は、午後から外回りだ。

秋人から連絡は毎日のように来ているが無視していた。

桐谷社長と外回りをする車に乗ろうとした時にいきなり秋人が出てきて汐里
の腕を掴んだ。

「君かい?彼女を泣かせた男は?」

桐谷社長は秋人に聞いた。

「部外者は引っ込んでろ!」

次の瞬間、桐谷社長の拳が秋人を吹き飛ばした。

「俺は、彼女を泣かしたりはしない。」

桐谷社長は、汐里の手を握りしめた。