「今日は50点。」

「桐谷社長、昨日の事予測してたんですか?」

「当たり前だ。君は、バカか?脱税も衛生管理も何回言っても改善されなかったんだから当たり前の事だ。」

「社長、警察から電話です。」

「切れ!」

「でも、」

「切るんだ!」

汐里は、電話を切った。

「今日の予定は?」

「全部キャンセルだ。別荘に行くぞ。」

「別荘?」

桐谷社長の運転で別荘まで車で行った。

豪邸と言えば良いかもしれない。

そんな感じ。

「君は、ビジネスをどうとらえている?」

「分かりません、わたしはただ普通のOLでしたから。」

「俺は、戦国時代ととらえている。」

「桐谷社長、気をはりすきなんじゃないですか?」

社長は、ポテトチップスを食べながら唸っていた。

「俺は、コーヒーは実は嫌いなんだ。」

「え?」

「コーヒーより紅茶が好きなんだ。だから君の毎朝のコーヒータイムはストレスを感じる。」

「しかも社長=コーヒーとレッテルを張られると憎悪さえ感じる。」

「そうですか、明日から紅茶にします。」

そんな簡単な事が言えないなんてまるで子供だ。少し汐里は笑ってしまった。

別荘はプールに三階建てとなっている。

温泉も完備されている。

「自由に使いたまえ」 と言われたので温泉に入る事に汐里はした。

汐里は、温泉大好きなのだ。

しかし、混浴とは思ってなかった。

俺様社長は引き締まった体を洗っている、ところだった。

「何してる?入りたまえ。」

桐谷社長は、さらりと言った。

汐里は、温泉に入る前にのぼせて倒れてしまった。

目をさますと布団の中だった。

最近、色々ありすぎてくたびれてしまった。

「起きたか?料理は食べれるか?」

「はい…。」

豪華な料理が目の前に現れて汐里は驚いた。

緊張も相まってお酒を飲みすぎてしまった。

「桐谷社長は、お酒飲まないんでちゅか?」

相当酔っている。

「もしかして飲めないなんて事はないですよね?俺様社長なんだから。」

「よし!飲んでやる。」

すぐに、酔って桐谷社長は泣いたり怒ったりした。

「何でわたしが秘書なんですか?」

「そりゃ、初恋の相手に似てたからだ。」

「あ!職権乱用ですよ、それ。」

次の日、当然二日酔いになった。


秋人に連絡してあった。

桐谷社長はもう1泊して帰るのでタクシーで家まで帰った。

玄関を開けて入ると知らない女と秋人がベッドの中で眠っていた。

自然と外に出て涙が溢れた。