「君は、誰だ?」

桐谷社長は頭を抱え込んだ後の第一声だった。

「汐里はどこだ?」

「兄貴!」

「おお、五郎どうした?」

「今日から副社長だよ。」

「やっとその気になってくれたか。」

「兄貴記憶が戻ったんだね?」

「記憶?何の事だ?」

「兄貴は、階段から落ちて記憶喪失してたんだよ。」

桐谷社長は、首を傾げる。

詳しくは病院に行ってからすると豪を五郎は病院に連れて行った。

まずいと思った由美は、机の上に置いてある灰皿で2人を後ろから殴りつけた。

「優馬、やったよ…。ハハ…やっちゃったよ。」

新垣由美は、すでに人格が崩壊して復讐人形になっていた。

「マイナス50点だ。」

桐谷豪は立ち上がって由美に言った。

「人間はそんなに弱くない。」

と桐谷五郎も立ち上がった。

「君を、正式にクビにする。」

豪は、そう言うと五郎に支えられながら社長室を出て行った。

豪は、五郎に連れられて病院に行くとロビーに汐里がきょとんとした顔で立っていた。

豪は、汐里を抱きしめた。

「今日の君は、満点だ。」

汐里と豪は、お互いに涙を流した。