桐谷五郎ー桐谷豪の弟は密かに工藤明美に恋していた。

しかし、兄を好きな彼女を見て無理だと思っていた。

吸収合併により兄は社長で五郎は社長補佐だったが工藤明美のそばにいたくて部長で工藤明美の上司になった。

兄より奥手な五郎は、いつも仕事の話しかした事がなかった。

今は、年下と付き合っているらしいというところまで知っている。
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でも、最近、別れたという情報を得た。

これはチャンスとばかりに五郎は明美を食事をに誘った。

何となく不安定な彼女だがOKしてくれた。

仕事の話ではなく主に社長の兄の話になった。

兄の話をしている彼女は光っていた。

やっぱり兄がすきなんだと感じた。

しかし、兄は秘書と付き合って相手も妊娠して結婚間近である。

「工藤さん、良かったら僕と付き合ってくれないかな?」

「嬉しいです。でも、今のわたしにはその資格はありません。」

「何で?」

「別れた彼の子を妊娠しています。」

正直びっくりしたが五郎は

「大丈夫。」

と言っていた。

「大丈夫?」

朋美は、首をかしげた。

「そう、大丈夫。俺が明美さんを守るし赤ちゃんも守るから結婚を前提に付き合って下さい。」

明美は、泣いていた。静かに…。

「部長、社長補佐になってくれたらOKですよ。前から思ってたんです。社長になれる器だなって思ってたんで社長を支えてわたしもついでに支えて下さい。」

「はい…。」

これはOKって事だよな?

「分かった。そうする事にするよ。」