「えっ、“例の”って…?」

何の話をしたんだ?

そう思っていたら、
「“妹じゃない”と言って振った女だって、践から聞いたぞ」

凱さんは言った。

「ちょっと、凱さん!

すみませんね、もう」

まひるさんはペコペコと私に謝った。

「いや、もういいんだよ。

もう1度ちゃんと話しあって、結果的には結ばれた訳なんだし」

二ノ宮さんは私の肩に手を回すと、ニッと歯を見せて笑った。

嬉しいと言えば嬉しいけど、やはりちょっとだけ恥ずかしいものがある…。

「いいね、ラブラブで」

そう言った凱さんに、
「そうですね」

まひるさんは返事をした。

「いずれは結婚も考えているから」

「えっ…結婚は、ちょっと早くないですか?」

まさかそんなことを聞かされると思っていなかった私は驚いた。