「正直なことを言うと、周りに人がいるのが残念だよ。

君のことを抱きしめたいし、キスしたいし…どうしよう、次から次へと欲が止まらない」

二ノ宮さんは深呼吸をするように大きく息を吐くと、
「こんな気持ちになったのは、初めてかも知れない…」
と、言った。

そんなことを思っていた二ノ宮さんを引くどころか、そんな彼をかわいいと私は思っていた。

私の方が重症かも知れない…。

「さすがに今のところは我慢するよ。

気持ちを伝えて結ばれて嬉しいから、今は我慢する。

だけど、覚悟はしていてよ?」

二ノ宮さんはフッと微笑むと、私の手を自分の手に重ねた。

私はその手を繋ぐと、
「はい、覚悟します」
と、答えたのだった。