「――私で、いいんですか?」

そう聞いた私の声はかっこ悪いくらいに震えていた。

「君じゃないとダメだと思ってる」

そう答えた二ノ宮さんは微笑んだ。

私の心臓がドキッ…と鳴った。

ああ、私はこの人のことが好きなんだ…。

もう隠すことは何もない。

ちゃんと自分の気持ちを伝えよう。

「――私もです…」

もう迷わなくていい。

迷う理由も躊躇う理由も何もない。

「私も、二ノ宮さんのことが好きです…」

二ノ宮さんは顔を真っ赤にさせると、私から目をそらした。

「えっ、二ノ宮さん…?」

彼の様子に声をかけたら、
「君のことをもっと知りたい」

二ノ宮さんは言った。

「えっ…?」

何を言われたのかわからなくて聞き返したら、
「もっと、ゆりなさんのことを知りたい」

二ノ宮さんがもう1度言った。