「だけど…さっきも言ったと思うけど、俺は騙されたなんて思っていない」

続けて言った二ノ宮さんに、私はそらしていた目をあげた。

「えっと…」

どう言うことなのだろうかと思っていたら、
「俺、小山内さんが好きなんだ」
と、二ノ宮さんが言った。

「えっ…?」

私の都合のいい聞き間違いじゃないかと思った。

今、“好き”って言った…?

「初めて見た時から、小山内さんのことが気になってた。

一目ぼれなんて信じたことなかったけど、本当にあるんだなって思った」

そう話をしている二ノ宮さんの顔は、少しだけ紅かった。

生まれて初めて恋を知った女の子と言う感じだ。

「もし…もしよかったらだけど、俺と結婚を前提につきあって欲しい。

小山内さんが考えさせて欲しいと言うならば、返事を待つから」

それに答えるために、私は唇を開いた。