「お姉ちゃん…」

私の横から画面を覗いていたゆかりが声をかけてきた。

「う、うん…」

私は返事をすると、深呼吸をした。

画面をタップしようとする指が震えている。

こんな状況になったのは、生まれて初めてだ。

頭の中で返事を考えながら、私は画面をタップして文字を打った。

『私もあなたと会って話がしたいです』

送信、と…。

すぐに返事がきた。

『よかった、断られたらどうしようかと思ってた…

近いうちに会いたいので、都合がいい日を教えてください』

「もちろん、会いに行くよね?」

そう聞いてきたゆかりに、私は首を縦に振ってうなずいた。

本当は、今すぐにでも二ノ宮さんに会いたい。

彼に会って、自分の気持ちを伝えたい。