「践がこのままで終わってもいいって言うならば、俺は何も言わない」

「終わっていい訳なんて…」

「じゃあ、追いかけろ」

「お、追いかけるって…」

それって、場合によってはストーカー行為にならないか?

そう思いながら聞き返したら、
「謝られた理由がわからないから話がしたいって言えばいいと思う。

彼女も話をするだけならば…って応じてくれるだろうし」

凱は答えた。

「まあ、それもそうか…」

話だけならば、小山内さんも応じてくれるだろう。

それに謝られた理由をちゃんと聞きたい。

「わかった、そうしてみるよ」

俺の返事に凱は嬉しそうに笑った。

「それでこそ、二ノ宮家の男だ」

笑いながら言った凱に、
「いや、凱は高畑家の人間ですよね?」

俺は言い返した。