True Heart

突然のように頭を下げて謝ってきた私に、二ノ宮さんは戸惑ったのがわかった。

「いや、顔見せしたいって言うのはそう言う意味じゃないんだよ？

俺がただ兄に会いたいだけだし、要は…その、俺個人の理由ってヤツかな？」

私は頭をあげると、
「――私は、小山内ゆかりじゃないんです」
と、言った。

「えっ？」

二ノ宮さんは訳がわからないと言う顔をした。

「私は小山内ゆかりの姉の小山内ゆりなと言います」

自分の名前を言った私に、
「あ、姉…？」

二ノ宮さんは何を言っているんだと言う顔をしていた。

「実は、都合が悪くて行けなくなってしまった妹の代わりにパーティーに参加したんです。

それで、妹の名前を名乗ったと言う訳で…騙すつもりはなかったんです」

「えっ、いや…」

二ノ宮さんはどうすればいいのかと言うようにオロオロとしていた。