「動物園に行くことになった」

私が答えたら、
「へえ、動物園に行くんだ」

ゆかりは返事をした。

「小学生の時の遠足で行ったきりだから行きたいってなって、それで」

「おー、いいじゃない」

やっぱり、いつまでも騙していると言うのはよくない。

何度もタイミングを見計らって打ち明けようとしたのに、二ノ宮さんはさえぎるように何度も話しかけてきた。

もしかしたら、薄々だけど気づいていたりするのかな?

…いや、そんなはずはないか。

こう言うのは自分から打ち明けないとわからないだろうし、彼が超能力者じゃない限り気づいているなんて言うことはないだろう。

「デート当日も私の服を貸してあげようか?」

「…結構です」

「遠慮しなくていいから」

今度こそは、ちゃんと打ち明けて事情を説明して謝ろう。

ゆかりと話をしながら、私は自分に言い聞かせた。