「それでデートをすることになったの?」

そう聞いてきたゆかりに、
「うん、そうなっちゃった」

私は答えると、やれやれと息を吐いた。

「やったじゃん!」

ゆかりはバシンと、私の背中をたたいた。

「イテテ…」

私はたたかれた背中をさすると、
「でも、肝心なことは言えなかった」
と、言った。

「肝心…ああ、代理でパーティーに参加したことについての話?

もうしなくてもいいんじゃない?

相手はお姉ちゃんがいいと思ったからデートに誘ったんでしょう?」

「だけど、ずっと騙しているって言うのは…」

「もういいじゃん!」

ゆかりがさえぎるように言った。

「いつまでそうやってウジウジと悩んでるの!?

私のことを気にして言っているんだったら、もういいから!」

ゆかりが声を荒げて怒鳴るのは久しぶりだ。