「どうだった?」

そう聞いてきたゆかりに、
「会うことになった」

私は返事をすると、手帳をカバンの中に片づけた。

「それって、デートをするって言うことだよね?」

「違うよ、あくまでも会うだけだから。

それにちゃんと説明をするから」

「えっ、説明?」

何を言っているんだと言うように聞き返したゆかりに、
「妹の代わりにパーティーに参加したことの説明」

私は答えた。

「えっ、何で?

相手はお姉ちゃんだからいいと思って」

「騙しているみたいで嫌なの」

ゆかりの言葉をさえぎるように、私は言い返した。

「相手はそれでいいと思っているかも知れないけれど、私はそれが嫌なの。

それにいつかはバレることなんだよ?

早いうちに話をした方がいいじゃない」

「それは、そうだけど…」

そう言い返した私にゆかりは何かを言いたそうだったけれど、これ以上は言えないと言うように口を閉じた。