赤くなる僕とは裏腹に 千代はひどく青い顔をした。 僕を止めた手をよくみると 小刻みに震えていた。 ハッとした。 僕は慌てて 「大丈夫」 と安心させるように優しい声を出した。 「僕は やらなきゃいけないことがあったから 東京には行かなかった」 千代の肩をつかみ 向き合う。