「いいぞ!拓海!」

「楽勝だぜ!」


バスケットボールが僕に渡された。


蝉の声が聞こえる。
なんだか僕を責めている
ブーイングのようだった。


「陽、カッコわりー!」

「いけいけ!拓海!」


あぁ、うるさい。


「さあ、来いよォ!」


ぎゅっと目をつぶる。
こんなことで雑音はなくなったりしないのに。


うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。


「ほらはやくし・・・」