前略、さよなら



「なに黙ってんだよ。

千代の弱弱菌がうつったか?」

拓海の発言に透と俊太が左右で笑い声をあげた。


「なんだよそれ」


「おどおどびくびくしてるから弱弱菌。

授業で当てられても黙り込むし
鞄盗られても黙ったままだしよ。

南地区のやつはみーんな弱虫なんだ。

千代の弱弱菌が空気感染してるから!」


拓海がふざけて手で口をマスクを作ると
透と俊太もそれを真似した。



僕の平常心に大きく亀裂が入った。