前略、さよなら

「今日ここで会ったのも
何かの縁だし

勝負しよーぜ」

「そういわれても・・・」

「俺らこれから塾あるからよ。

3時には行かねーと行けないから
それまででいいよ」

「いや、でも・・・」

「とにかく勝負だ!時間はとらせねーよ」


この様子だと僕が何を言っても
勝負することになるだろう。

透と俊太に捕まった時点で
逃れられないものになっていたんだ。


「なんの勝負?」

「バスケやんぞ」

バスケ、か。
拓海が得意なバスケ。


僕は陸上部所属で
足はクラスで一番速いが
球技は人並みだから

拓海に負けるのは目に見えていた。