前略、さよなら


公園は木が多く
ほとんどが陰になっていた。


それでも拓海としゃべるよりは
日向にいたほうがましだと思った。


「よう、陽〝ちゃん〟。千代」

拓海は僕を女扱いする。

よく千代と一緒にいるし
顔立ちや名前が女っぽいからだ。


「な、なんか用?」

正直拓海としゃべるのは
ほんの少しだけ怖い。

とはいえ、千代の前でそれを見せるのは嫌だった。


拓海は
まるでゲームの中のボスのように
仁王立ちして
僕達に緊張を走らせた。