「冷たくておいしいでしょ」 千代は得意気な顔をしたので 僕は何度も頷いた。 「千代のお母さんは優しいよなあ。 今日は夜勤?」 「うん。水曜日だから」 介護施設で働く千代のお母さんには 週3回ほど夜勤がある。 だから遊びに行っても寝ていることが多いのだが 起きている時はいつもお菓子を出してくれる。 「そうだ、今度は千代の家で遊ぼうよ。 千代のお母さんがいる日!」 千代は小さく笑って頷いた。