「ばあちゃん、港は?」

ばあちゃんはいつもこの時間は
港で漁に使う網を解いたり
海藻を干したりしているはずだった。


「北野さんのところに
昆布持ってってやろうと思ってよ。


あんた、そんなに背高かったけさ」

ぎくっとしたが
僕は堂々と振舞った。


「成長期だから
身長どんどん伸びるんだ」

「あー、そうかい」