ママはハンドバッグから1枚の封筒を取り出した。

「これは?」

「藍くんが出て行く時に、春歌に渡してって」

「……っ!」

私はママから受け取ると、座って読み始めた。

〈春歌お嬢様へ

お嬢様、勝手にお嬢様の前からいなくなってしまい、申し訳ございません。

わたくしは、決してしてはいけないことをまたしてしまいました。

小さい頃、わたくしはお嬢様を守るべく、手を出してしまいました。

そして、今日も。

わたくしは、犯罪者と同じです。