「藍くん!」

「旦那様、奥様……」

「本当に出ていってしまうの!?」

「ええ……」

「どうして!」

「お約束しましたよね。わたくしがこのようなことをした場合は、こちらを出ていくと」

「そ、そうだがっ」

「いくら旦那様や奥様のお頼みだとしても、1度決めたことは変えれません。こちらを、お嬢様にお渡し下さい」

わたくしだって、本当はいやです……

ですが、仕方がないことです。

お手紙に、お嬢様にお別れのお言葉を添えて……

「今までお世話になりました。ここまでお世話して下さり、ありがとうございました。失礼致しました」