船が港に着き、それぞれ車に乗って帰る時間に。

「藍ちゃん、あのさ……」

「はい」

き、聞きたいけど答えてくれるかな……

いや、まず聞いてみよう……

「藍ちゃんって、好きな人いる?」

「……っ、え、えっと、ですね……いることにはいます……」

「……っ」

なんで胸がチクッと痛くなるのかな……

藍ちゃんは、ただの幼なじみで執事なのに……

「お着きになりましたよ。降りましょう」

「……うん……」