「水原さんの席は、早乙女さんの隣ね。早乙女さん!」

「は、はい」

「あそこの隣の席ね」

「はい」

みんなの視線が痛い……

やばい、また泣きそうに……

そう思い、唇を噛んだ。

ーーガタッ

「お嬢様、血が……!」

「えっ」

確かに、口の中血の味するけど……

藍ちゃんはポケットからティッシュを取り出して、私に渡した。

「唇から血が出ておりますので、こちらで」

「え、嘘……」