「あー、なんなんだよーくそー。さぼりか?さぼりなのか?」

「うるさいですよ」

「ねぇ志藤君、私は先輩なんだけど」

「知ってます」




 保健委員とか訳のわからない、だなんて言っちゃいけない。

 具合が悪い人物に付き添ってやったり、教室にある加湿器の掃除なんかもやらなくてはならないし教材みたいな、風邪注意!とかいうポスターも貼らなくてはならない。しかも校内中にだ。

 現在はそのポスターを貼る作業なのだが、私の相方である男は来ない。

 どうなってるの、と委員で集まってから言われてもさあ?としか言えず、結局そのまま仕事を割り振られてしまった。
 おのれ工藤。どうせ彼女のとこなんだろ!?
  


「わかってるなら呼びに行けばいいんじゃないですか」

「私に死ねってか」

「そんな簡単に人は死にません」



 全く正論なのだが、色々と死ぬ。そういったらさすがの志藤君は事情を知っているので、「まあ…」と濁した。

 工藤という男には彼女がいる。
 この頃相当お熱らしく、そしてその彼女は嫉妬深いのかなんなのか、工藤は女の子と距離をとっているのだ。間違いなく、彼女のせいだろう。私だってその影響を受けて、一人こうしているわけだ。

 予定は伝えられたいたはずだが、忘れたのかわざとすっぽかしたのか。なんとも言えないが、私は彼女のせいだろうと思っている。