あぁ、そうか

 可児先輩がいつもみたいに

 OKしないのは、アタシの件が

 あるからなのか……。



 確かに

 毎晩アタシと同じベッドで

 一緒に寝ているのに

 他の女の子と

 付き合うなんて出来ないか。




「……」




 フラッシュバックは

 いつまで続くんだろう?



 アタシは、積み上がってゆく

 果てしない恩を

 どうやって返せばいいのか

 検討さえつかなかった。




「由似、大丈夫?」



「うん、いつも絡まれてるから、それは慣れてはいるんだけど……、可児先輩が、フッてた事に驚いちゃって……」



「あっ、そうだね、そう言えば……」



「由似が大丈夫ならいいけど、あの子先輩に向かって生意気ね、覚えておくわ」




 明日実が怒って山角さんのいる席を睨む

 彼女は、内勤情報通だから

 山角さんの今後が心配だけど

 悠人先輩と貴梨香が教育担当になったから

 大丈夫だろう。




「2人とも心配してくれてありがとう、お手数だけど泊まる日、よろしくお願いします」




 アタシは、頭を下げつつも

 可児先輩に対して

 これからどうすればいいのか

 ずっと頭を巡らせていた。