「うん……、その人だよ?」
2人が心配するのは
無理もない
一緒にいたのが寄りによって『男』で
更に、あんな噂のある
可児先輩なのだから……。
可児先輩の評価は
頭が良く仕事はキレるけど
女関係は最低。
チャラくて来るもの拒まずで
直ぐに別れるヒドイ男……。
伊織さんから聞いた件を合わせても
どこまでが本当かは
わからないけれど……。
「……随分、噂と印象が違うけど、……その、大丈夫、なの?」
「うん、何もないよ? 先輩としては、頼りになる人だから……、むしろアタシが、迷惑かけているくらいなんだ……」
「……そっか、その辺も今度聴かせて?」
「うん……」
考え深そうに
2人は顔を見合わせ
少しだけ安心してくれたようだった。
ふと、近くでざわめく感じがして……
「亜古やめときなよ?」
同期らしい女の子のとめる声?


