恋する24時 2


「……」




 あ、握手とか

 まだ、無理だよ……。



 震えないように

 自分の両手をギュッとつかんで

 小さく深呼吸した。




「タイゾーく~ん? 玉井先輩、やめるワケじゃあないんだから、握手とか重くない?」




 貴梨香が笑って

 海老君をなだめてくれて




「野山さん、最初にお願いなんですが、オレ名前呼びNGですから!」



「そうなんだ? カワイイのに……」



「男にカワイイはさらにNGです!」




 海老君は憤慨して

 貴梨香に懇々とお願いをし始める。



 よかった、助かった……。



 貴梨香のおかげで話がそれて

 握手をせずにすんだよ。




「由似ちゃん、動けそう?」




 心配そうにアタシを覗き込む

 可児先輩と目が合った。




「はい、すみません大丈夫です」



「じゃあ、悠人ヨロシクね」




 と小声で、悠人先輩に手を振ると

 アタシを即すように

 可児先輩は、アタシの背中に手を添え

 一緒に会議室を出た。